あすなろ
subaru★
この香りが五月でもないのに
懐かしさが全身に迸る
僕は気になる この香りが
逆らいに倒れた僕をそっと
この華奢な体が抱いてくれた
揺れまいと
木の葉が頑なに風を拒む
揺るぎ無い心を持つ
この一本気な性格の
そんな翌檜が好きだ
今日も あの樹になれなかった
明日こそ絶対に・・・って
先送りでもない強い信念が地中で根を張る
あの立派な大樹になれないのは
みんな知っていた
それでも育てと明日へ繋ぐ
次に此処へ戻ることが出来たなら
僕が この木になると願わずにはいられない
たとえ 大それたものになれなくても