聴牌
faik

肺や気道を意識せず、唯、呼吸をするように

僕の宇宙を封印したのは、僕自身だったのかもしれないね

誰かのせいにしたいな 明日もきっと悲しいから

それがからからの快晴ともなると、殊更


迷惑してんだよ

茹だるような暑さにも

忌まわしき陽炎にも

想い出の中に滑り落ちるよな、あの優しい雲にも


拝観相思相愛だ

哀婉淑女相対だ

法案可決掃蕩だ

傍観者には相応さ


ここには端から何も無い




そういや今日も晴れだっけ あれだけ降りゃあそらそうな

カーテンひとつで世界は消せる クリックひとつでどこでも行ける

便利で愉快なご時世だ 嘆き悲しみ弄り労われ

それで上手く 明日をきっと上手く

そう夢想したっていいだろう


迷走してんだ

茹だるような陽ん中

忌まわしき陰を踏み

思い出すだけで煩いそうな、君の優しい声の上


押韻逃避拡散だ

脚韻哀悲退散だ

頭韻各自解散だ

もういいすべて沢山だ


生かせてくれ 誰か


誰が




肺や気道を意識せず、唯、呼吸をするように

僕の世界に蓋をしたのは、僕自身だったってことさ


誰かのせいにしたいな だけどそれも空しいな

誰か



君は僕の どこに居る

僕なんて一体 どこに居る?


自由詩 聴牌 Copyright faik 2011-10-30 15:59:34
notebook Home