胸に月
草野春心



  しんしんと
  雪のように眠っている
  君の
  シャツの
  胸のあたりに光がにじみ



  そこだけが
  かわいた月面になる
  白、
  黄、
  水色、
  色鮮やかな帽子をかぶった
  小さな人たちが
  そこを歩いてゆく



  かれらが
  乗り捨ててきた
  古い宇宙船を探しながら
  僕は待っている
  君に
  愛していると
  伝えられるときを





自由詩 胸に月 Copyright 草野春心 2011-10-27 18:11:02
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春心恋歌