寄る辺のない人々
やーぶらか

彼らは 退屈している

何を楽しめるのかと尋ね そんなものはもう楽しめないという
退屈していることを 実は不安がっている

何かが退屈なら それが退屈だというだけ ただそれだけのこと

けれども 日々そのものが退屈だと 感じている彼らは 
何を面白いと感じて良いのか わからなくて
そもそも 何をどう判断して良いのか 
それ自体 分からなくなってしまっている 自分の骸に 苦しめられている

この世の中の一体何が楽しめる代物なのか 尋かれて 答えることができなかった

それは あまりにも その時々の 個人的な 文脈に依存していて
知り合い程度の彼らに 一口で 即席に 説明することはできなかった

喉元に 詰まった言葉を じっくりと 飲み下しながら
彼らの望むように 他の誰かと100%共有するなんてことが とうていできない
私だけの ささやかな充足のプロセスというものに
いとおしく 想いを 馳せてみた


自由詩 寄る辺のない人々 Copyright やーぶらか 2011-10-27 02:53:15
notebook Home 戻る