骨を見る私
木立 悟






谷底にこがねの雨がわだかまり見るものは泣き見るものは去る



ゆうるりと暮れあおぎみてまわる虹うた連れてゆくひと連れてゆく



冬の木が冬の木を呼ぶあいだにも白き毒はただ白になりゆく



誰も見ず誰も知らない国境をただ行き来して草を喰む羊



曇のみち雨のみち蒼オルゴールかたむきのまますべりゆく午後



救いとは地獄と同じ負の流れただ背を焦がし火の壁の立つ



わたくしを振りほどく夢はみだして月日を月日に塗り重ねゆく



喰らっても殺しつづけても降りつづくみなもとの舟はこぶ羽の声

























短歌 骨を見る私 Copyright 木立 悟 2011-10-27 00:03:14
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