ハレバレ
nonya
空の一番青い所から
滑り降りてきた木枯らしが
寝惚けたネクタイを
強引にたなびかせ
腫れぼったい意識を
心地好くシュリンクする
秋晴れハレバレ
ハレバレハレルヤ
空の一番柔らかい所から
降り注ぐ光の粒が
見上げる睫毛を
サラサラとくすぐるから
濁った唇を少し歪めて
柄にもなく微笑を作ってみる
秋晴れハレバレ
ハレバレハレルヤ
綺麗事ばかりを
追いかけようとする
自分の靴音に
置いていかれそうになりながら
いつもの曲がり角を曲がると
薄汚れたステ看板にも
今日はきっと良い事がある
と書いてある始末だ
秋晴れハレバレ
ハレバレハレルヤ
能天気で
呆れ返るほど秋が
晴れている
木枯らしに髪を
さんざん弄ばれながら
せめて今日一日だけは
秋以外のものが
落ちてこないよう
切に祈った