雨音
菜穂

雨が降る
静かに そして激しく

ココロを揺らす雨音は
憂鬱なため息に似て

降り注ぐ雨は
私の涙を隠してくれた

我儘に生きていく事が
人を傷つけるのなら
自分が傷ついて
血を流せばいいのだろうか

誰も傷つけずに生きていく事も
誰も憎まずに生きていく事も
一人で生きていく事も
出来ないんだ


雨は降る
しとしとと

空っぽな心の中を
雨音が木霊する


葉音が耳を塞ぎ
跳ね返る雨が 瞳を濡らす

明日はきっと晴れるから
今日だけは 
落ちゆく雫に身をゆだねて・・・


自由詩 雨音 Copyright 菜穂 2011-10-24 16:12:08
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