水底
千波 一也


星明かりの駅が
ひとつずつ滲んでゆく

瞳は
乾いてなどいない
まったく逆だ

夜から
いちばん遠いところが
すべてを飲み込み
夜を生むための
夜になる

そこに
あるものを
真実きみは語れるか

美しすぎておそろしい
標をきみは
語れるか

ひとつ残らず
ごまかさず





自由詩 水底 Copyright 千波 一也 2011-10-20 23:32:56
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