三千円高い女
はだいろ


他の女の子よりも、
三千円高い女を呼んでみた
出勤表から消えていたので、
てっきりキャンセルだと思って、
他の女の子を写真であたっていたら、
ふつうに22時過ぎに行きますということだった
やってきた女は、
「業界完全未経験」、嘘つけ、
携帯をちょっとのぞいたら
いろんなデリヘル店の名前があって、
つまりかけもちの
プロなのである
男の数だけ女の好みもあるのだから、
どの女に三千円高い値段をつけるかというと、
客観的判断に頼らざるを得ないのだろうから、
そうゆう意味では、
まあ、この子がそうなのは、納得はいった
客観的美形タイプ
つまり、
あんまり、意味のない三千円であった
ひとつ高い階段から見る景色が、
どれだけ違うかというくらいの話である
ぼくのアパートの階段から、
スカイツリーが見える
ぼくはこのまま東京の人になるのだろうかと思う
吉田兼好の徒然草を読む
女は字だけの本は読んだ事がないと言う
東野圭吾をすすめてみる
初めて読むには、最適だと思う
むかし赤川次郎
いま東野圭吾
中身のある赤川次郎という感じだろうか
吉田兼好のような世捨て人にはとてもなれない
女が帰った後、
鏡を見て、笑ったしわがそのまま顔に貼り付いている
ぼくはびっくりしてしわをこすってみる
色欲のあるうちに、
遊んでおきたいと改めて思う
貯金なんかしている時ではない
いまのうちに、欲にまみれておきたい







自由詩 三千円高い女 Copyright はだいろ 2011-10-18 00:07:25
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