エコーズ
るるりら
A
枯れ葉が 裏も表も見せながら落ちて
そのうち葉脈だけになり
葉脈の下では 貴族のようなおももちで
うずくまっている それは わたし
B
独りきりの夜 ちいさく もりのくまさんを 歌う
フレーズごとに 耳のところに手をおいて
アルヒ 南極は北極に恋ヲスル ハナサク コイノウタ
月の輪熊さんなら おひげのはえかたは あのひとと 同じ
C
ゆうやみが せまるのと あさが くるのは 同じ スピードで
愛する人を待ちながら
感じる
獏の体は熊、鼻は象、目は犀、尾は牛、脚は虎
A"
空を見上げると
木の葉をつたって落ちた木漏れ日は全部丸い
光を踏んで歩くその靴音 あなた
B"
しかたがないから 森のくまさんをうたう
歌えと言わんばかりに 耳をよせてくるヤツに
ヒゲをなすりつける
C”
女は辰年の生まれ
龍の角は鹿、頭は駱駝、眼は兎、身体は蛇、
背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛
A→ B→ C→A を 線で結ぶ
A"→ B"→ C"→A" を 線で結ぶ
ふたつの図形を かさねて 六芒星
ふたりでひとつの羅針盤にする