はたらく
一 二
生きる為と
趣味の為にお金が必要だから
バイトをしている
接客業だから
働いてて客に
「何だこいつは?」って感じたり
理不尽な事があったり
腹が立ったりして
思ったことをそのまま客に言ったら
店長に「じゃあ辞めろ」って言われるだろう
でも生きる為に
趣味の為に
金が欲しいから
我慢して働く
クビになりたくないから
黙ってレジに立つ
金があるなら猿山で
一人で生きるのも良いものだが
金が無いから働くしかない
諦めというよりは
仕方が無いと己を騙している
高校の時によくしていた
工事現場のバイトでは
「働く」ことに深く考えていなかった
考える暇があるなら体を動かさないと
いけないからだ
バイトをせず
親の仕送りだけで
バイクに乗っていたり
合コンばっかりしている
客として来る同級生を物凄く羨ましく感じる
彼らは趣味のために苦しまず
お金を得るために
媚びへつらわないでいいからだ
俺は仕送りを貰えず
働いているのにバイクも買えず
合コンには怖くて行けないからだ
バイトが終わって
家に帰って
ご飯を食べて
風呂には言って
現代詩フォーラムみて
眠るとき
どうしようもない不安に襲われる
不安が囁く
「お前だけ青春をしくじっているぞ」
俺はこう言い返す
『世間一般で言うとこの
学生ライフはできてないが
俺は今とても幸せだぜ
生きることとバイクのために一生懸命だ』
精一杯の強がりだ
「でも今がピークだから
あとは落ちぶれるだけだぞ」
不安は更に追い討ちをかける
『わかったよ、この幸せが一秒でも
長続きすよう頑張るよ』
「けっ、アドバイスと思ってやがらぁ」
今晩も何とか不安と会話できた
俺の不安は
俺のことを心配してくれて
わざと辛い言葉をかけてくれるのだ
俺の不安はなんてツンデレなんだろう
俺の不安に
俺を心配させないため
もっと逞しく
そして大人になりたい