月夜の額縁
つむ
こよい 空は銀の帯をすべらせ
欠け月を髪に飾る
鞣
(
なめ
)
された夜の下で
仄かに光りながら伸びる翡翠の茎
その先端に やがて冠のように開く
月光を凝らした白い花
ひとしずくの涙を浮かべる
乙女のように
縦横を揃えられた言葉は はためき
星々のあいだを滑落する 記号
時間に穿たれた鍾乳洞のなかを
ゆっくりと滴り落ちる 銀の静寂
遠い星のまたたきが
宇宙からの永いことづて
きらめきは夜を愛撫してゆく
月も星も花も、皆。
自由詩
月夜の額縁
Copyright
つむ
2011-10-12 23:45:33