手のひらの詩
服部 剛
君がつくってくれた朝食の
おかゆを食べ終え
茶碗の運ばれた、広い食卓に
何とはなしに手を置けば
木目に残る余熱は
一つのぬくもりのように
指から皮膚へ
皮膚から体内へ
体内から心へ伝わり
私は一つの熱に、浸されてゆく
私は来月あったまり場という
心を病んだ優しい人達の集いにいって
共に過ごして語らうが、きっと
今の時代の多くの人の心の暗闇から
聴こえてくる、糸電話よりも小さい叫びは
求めている
今朝の食後
食卓の上に、何とはなしに置いてみた
この手のひらを浸した
たった一つの、ぬくもりを