手のひらの詩 
服部 剛

君がつくってくれた朝食の 
おかゆを食べ終え 
茶碗の運ばれた、広い食卓に 
何とはなしに手を置けば 

木目に残る余熱は 
一つのぬくもりのように 
指から皮膚へ 
皮膚から体内へ 
体内から心へ伝わり 
私は一つの熱に、浸されてゆく 

私は来月あったまり場という 
心を病んだ優しい人達の集いにいって 
共に過ごして語らうが、きっと 

今の時代の多くの人の心の暗闇から 
聴こえてくる、糸電話よりも小さい叫びは 
求めている 

今朝の食後 
食卓の上に、何とはなしに置いてみた 
この手のひらを浸した 
たった一つの、ぬくもりを 








自由詩 手のひらの詩  Copyright 服部 剛 2011-10-11 23:54:49
notebook Home