捜索者
アラガイs
憂うつな顔をして目玉焼きを食べているぼくの目の前にも
化粧を落としたきみの寝息が聞こえてくるような気がする
きみの犬を探しはじめて二週間
駅の裏までやって来たけど広すぎて何もみえない
高い鉄塔の上から見下ろしてやろうと大通りの真ん中を抜けて迂回すれば
反対側の小路にはたくさんの飢えた犬が道を塞いでいた 。
きみの犬はいるのだろうか
それはわからない
第一、ぼくはきみの顔さえ知らない 。
自由詩
捜索者
Copyright
アラガイs
2011-10-11 12:52:01