【 図形 】
泡沫恋歌
【 雪花 】
あ
雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹雪く道を駆けて行く
誰にも見られぬようにと
あなたが待つその場所
冷たく凍えるこの肌
貴方の胸で温めて
女の視界を遮る
乱れ舞う雪花
情念の焔か
恋の道行
道なき
恋に
雪
【 詩作 】
誰でも詩は書こうと思えば書けます
だが本物の詩を書きたいと思えば
詩人は慢性的に不幸でなければ
心に響くような詩は書けない
いつも孤独で傷つきやすく
愛を渇望しては裏切られ
憐れな詩人の心の叫び
から詩が生まれます
詩を書くためには
自分自身を嘆き
悲しみ悔悛し
フィルター
にかけて
落ちた
もの
詩
【 DOG = GOD 】
DOG犬を反対から読むと
DOG = GOD と鏡文字
犬がGOD 神様になる
もっとも犬は神に
近い生き物だと
誰かがTVで
言っていた
この我ら
人類の
進歩
と
共に
犬達は
常に人の
傍らにいて
ともに歴史を
巡り生きてきた
物言わぬ犬達だが
DOG の方が GODより
人間たちのことをよく
分かっているかも知れぬ
【 思い込み 】
人
と は
時 に は
思 い 込 み
間 違 い で も
信 じ て し ま う
分 か っ て い る よ
知 っ て い る か ら は
単 な る 思 い 込 み だ し
実 際 に 正 し い か ど う か
よ く 分 か ら な い ま ま
人 の 言 葉 や 状 況 で
こ れ が 事 実 だ と
安 易 に 決 め る
だ が 真 実 は
見 え な い
判 断 は
心 の
眼
【 涙の雫 】
涙が
頬を伝う
昨日も今日も
あなたに逢えない
ひとりぼっち寂しい夜
水道の蛇口から漏れる水音
ポトリポトリと耳に響いて
孤独な心のドアを叩いてる
携帯が繋がらない夜は
あなたを怨みます
闇に白い溜息
涙の雫が
・
・
・
涙の雫が
・
・
涙の雫が
・
零れた
・
・