秋の日だまりから雨
……とある蛙

希望の楡の大樹の根元
絶望の日溜まりの中で
君は何を想い
溜息を吐いているのだ

柔らかな秋の陽射しの中
ゴツゴツとした大樹の根元にしゃがみ込み
君は何を想い
溜息を吐いているのだ

次第に柔らかな日は傾き
夕陽となる前に降りだす
僅かながらの雨

雨は次第に本降りとなり
風もなくシトシトと降り続け
君の身体を濡らし
身体を芯から冷やす

シトシト降る秋の雨の中
膝小僧を抱えてしゃがむ君の身体を
雨は芯から濡らし身震いをさせる

君は濡れた身体を抱え込みながら前方を
前方には夏の海が
きらきら輝き波打つ夏の海が
夏の海には鳶が自由に滑空している

暑い夏の輝く太陽は
分かりやすく明るい陽射しで
夏を懐かしむ君は目を細める

来年また夏が来たら
きらきら輝く海に向かって
君は希望の歌を歌えるのだろうか
幸福な陽射しを受けられるのだろうか


自由詩 秋の日だまりから雨 Copyright ……とある蛙 2011-10-09 13:45:44
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