花火
梅昆布茶

ふうわりとした優しさを想ってせつなくなりました

花火のように夜空に打ち上がりたいのです


仕事帰りにバイクを駐めて観てました

鴻巣の花火大会でした


彼女も対岸で車を駐めて観てました

いっしょに夜店のたこ焼きを食べたかったのです


彼女と唄った天城越えも過去形なのでしょうか

花火はふうわりと夜空に拡がって消えてゆきます


彼女が消えないように

彼女のメールがまた来ますように


僕の唯一の武器は

FENDERの古いアコギ

僕の世界のカギは


ゆるんだ時間に

ぶらさがっています


僕の頭の中を素粒子が突き抜けて

彼女の音色を奏でます


空にまた花火が打ち上がって

僕と彼女は

違った場所で

同じ花火を観ています




自由詩 花火 Copyright 梅昆布茶 2011-10-09 08:47:01
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