無声の本当らしさ
シホ.N
純粋な不機嫌
憂鬱ではなく
正しく怒るのでもなく
ニィと笑える
この不機嫌
病気の子供のそれらしさで
つねに何かを云う事ができる
イエス、ノオ、
肯定でなく否定でなく
沈黙してゆく澱の内の狂気の
若いオ父サンとオ母サンが
しわくちゃになったボクを
いたわる!
そんな時間軸の交錯
あるいはこれが世界のやり方
コンナコトハほんとうデナイ
喋ったことほんとうでない
で、もはや喋ってはならない
しかも
喋ってもいないし
今日フリオ君が死んだ
きのうは坊主頭が壊れた
そうして
本当らしく
差し迫る虚
不機嫌だなア、不機嫌の!
この無垢のものらは
赦されたとて許されて
澱のはざまの無形の
見られぬ純水のうち
嗚呼ボクはほんとうに
あやまろう、上機嫌なものらに
無声の
本当
らしさもて