救援物資
あやとり

クリスタルで覆われた街
音も無く忍び寄る爆撃機
頬をつたう血の香
逃げ惑う人の群れ

此処が何所だかとうに忘れた
何がなんだか判らない日々
手をつないでいた彼女は消え
二の腕から先が無い手を握りしめていた
 
静脈のように張り巡らされた運河
パラシュートできた支援物資
蟻の様に群がる群衆
横流しが蔓延る世界

此処が何所だかとうに忘れた
何がなんだか判らない日々
彼女の生死も判らぬまま
腕を埋めて石を置いた


自由詩 救援物資 Copyright あやとり 2011-10-06 23:44:37
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