水を得ない海辺にて
yuugao

番になれなかった蝶々結びがひとつ。

咽の頭が
ひとつふたつ飛び出して
あてのない渇きを訴えている。

共に立ちえない辺の先が
行方知れずになりたいと訴えかけてきた。

叶わない全体の中で
叶いそうな一部分を噛み砕いていく。

咀嚼することで全体の一部となるこの身体・・・

適いそうな全体の中で
ただただ
適わない部分を
噛み砕き続けるしかないのだった。


自由詩 水を得ない海辺にて Copyright yuugao 2011-10-06 22:08:41
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