側溝に
wako

  なぜか夜に
  側溝に転がり落ちる指輪の話を
  たて続けに聞いた
  どうやら別れ話と夜は
  思ったより相性がいいらしい

こんなもの!
溝に捨てる価値もない!!

憎しみと怒りの瞬発力はすさまじい
力まかせに投げつけられた指輪は
街灯の光をにぶく反射しながら
勢いよくアスファルトの上を転がっていく
思考を一点に集中させて

見た?
この程度のものなのョ

悲しい音を響かせて
指輪が側溝に落ちていく
追い打ちをかける様に
意地と強がりが絡まり合って
上の空の罵声をあやつる

地の底まで堕ちればいい!
思い出も、年月も

背に向かって
矢つぎばやに言葉を突き刺すが
そむけた顔を闇がかばい
表情をかくす
沈黙に勝てるはずもなく

星の数ほどオトコはいるのよ
サッサと消えて!

  今夜もどこかの路上で
  修羅場もどきの騒ぎの果てに
  側溝に骸(ムクロ)が転がり落ちる
  チャリンと悲しい音を響かせて

  夜と別れ話は
  とても相性がいいらしい


自由詩 側溝に Copyright wako 2011-10-05 14:49:12
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