はるのあめ
つむ
天と地のあいだ
きらめく銀の針
天と地をぬうように
めぐらす細き糸
天が地を呼ぶ声
地が天を呼ぶ声
狂おしい声のこだまの中
全身を打たれるままに
ぬいとじられてしまえばいい
この小さき容れもの
やがて銀光が消えると
天は高みへ去り
大きな水溜りが空を映している
涙をたたえた眼のように。
かわくのがこわいのです
そう小声で呟いて
しずくがひとつ
たよりなく若い土の上へ。
自由詩
はるのあめ
Copyright
つむ
2011-09-30 23:02:44