トンビ
さすらいのまーつん

雨上がり
秋空高く 舞うトンビ
のどかで いいねぇ

生き急ぐ勤め人が ふと見上げて立ち止まる
゛自然界の時刻表は ずいぶんスカスカだなぁ゛と
木の枝に止まってぼんやりするのに 口実なんていらないし
タバコを咥えないとカッコ付かないなんて 気にしないし
大事なことは 食うことだけ
りっぱな模様を作る 羽も
雨水をはじく 蝋も
自然が全部 用立ててくれるから
ユニクロで 普段着の色に迷ったり
野暮臭く見えないような雨合羽を 探す手間もない
適者生存の 厳しさはあるものの
何もつくろわずにいても 美しいのが自然
だって 俺が裸で街を歩いても
”ああ 生き物って あるがままで美しいのね”なんて
だれがのたまう?
パトカーは すっ飛んでくるわ
二度と顔を上げて 歩けなくなるわで
トンビの威厳からは 程遠い有様
つくろうのが大好きな 俺たち人間

雨上がり
秋空高く 舞うトンビ
自由で いいねぇ‥


自由詩 トンビ Copyright さすらいのまーつん 2011-09-30 18:52:25
notebook Home 戻る