aoi aoi
竜門勇気


ずっと張り裂けそうだった
胸はやっと張り裂けた
中身全部膿だ
僕の腐敗でしか無い
膿だ 膿だ
手のひらに掬って
口に運ぶその膿が
なぜなんだろ
青い 青い

aoi aoi

君の誕生日をずっと眼を閉じて過ごしたんだ
迷惑なのさ
僕の感情は誰にとっても
異物の憂鬱はずっと感じてる
例外なんて思っても見なかった
泣けそうで泣けないときの
内側の波が騒がしい
真っ暗のはずの深夜の海が
どうしてなんだろ
青い 青い

aoi aoi

何かを考えることは
すごく疲れる
氷と炎を一緒に食べようとしてるみたいだ
だからやめることにしたよ
空には空があって
海には海があって
ここにはただ僕がいるだけなんだな
なにをすればいいのか
なにをしたら楽しいのか
そんなことばかり考えてたけど
おしまいだ

僕は今日から濡れた石になろうと思う
変化と進行の底で
上っ面をなでる光を受け止めて生きようと思う
ぬらぬら反射する世界を拒絶して
嫌われることを厭わないようになろう
熱のない光は結局やさしかったよ

aoi aoi

僕は少しの間君の泉で溺れただけさ
そしてあんまり居心地が良かったから
君だけを思うお化けになって
透明の向こう側までお化けでいようと思うんだ
もう部屋の扉も重たくて開けられなくなってきた
でも寂しくはない
ただ例えようもなく青いんだ
毎日毎晩いつでも
窓の向こうに見える空だけは

aoi aoi 


自由詩 aoi aoi Copyright 竜門勇気 2011-09-30 17:12:27
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