終わる世界のサイエンスフィクション
くろみつとう

庭の木から飛び去った蝶が遠い外国のビルを倒した
思惑はTVの中できりきり回る
顔のない人たちがこっちを指さして笑うんだ

誰も気づかないうちに背後に忍び寄る真っ白い影
国土を狙った死神が鎌を振りかざしているんだ
走って滑って飛んで跳んで逃げて WWWをかいくぐる

一人乗りのロケットで行く発射10秒前 ライカを連れて
左脳の鳥かごに囚われた君の救出に向かうよ

終わりゆく世界の中で君は僕に出逢った
星の海に沈む難破船の中で共に眠りに就こう
もしも目覚めたとき君の頭蓋骨が笑っていたら
それを見届けた僕は幸せで死ねるかもしれない


自由詩 終わる世界のサイエンスフィクション Copyright くろみつとう 2011-09-30 16:55:57
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