「夢見る少女」
あやとり

窓のそば夢見る少女一人立つ
精神を病んだ少女の見る夢は
幸せな普通の家庭手に入れる
そんな子を心配そうに母は見る
社会から隔絶してでも守り抜く

歳月が立っても少女は少女のまま
苛立と焦りが彼女を襲いだす
自立したい子供が欲しい働きたい
情熱のぶつけどころがないままに
夢だけが空しく心にこだまする

鳥になり彼女は部屋を抜け出した
初めての摩天楼の町並みに
よろめいてきりもみしながら舞い降りた
青年の軟派の言葉に耳を貸し
初めての契りを交わす一夜切り

妊娠の三ヶ月目で気がついた
母親の反対押し切る勇気もなく
悲しいが病院向かうその途中
またしても彼女の背中羽生えた
ふらふらと頼りなげに飛んでゆく

狂おしいそんな言葉が似合うほど
母親は飛んだ少女を捜してる
保護された少女は云った産みたいと
子供だと思っていたのは間違いと
母親も共に育てる決心す


自由詩 「夢見る少女」 Copyright あやとり 2011-09-29 20:23:19
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