あなたはまだ知らない
さすらいのまーつん
人に混ざるほど 私の影は薄くなる
その影に透けて見える希望が
なおも私に自分を捨てさせる
人々の微笑が釣り針となって
私の喉の奥から
もつれた心を引っぱり出す
私はもがきながら涙を流す
午後の静けさの中で
壁に包まれた孤独の中で
私は自分と向かい合う
その表に走る傷跡
その目の奥の乾き
その肌の皺やたるみ
身体の全てが言葉にならない声で私に語りかけてくる
あなたはまだ知らない、と
自由詩
あなたはまだ知らない
Copyright
さすらいのまーつん
2011-09-27 12:31:17