パレード
itukamitaniji

パレード

この坂道を上れば 君が住む街が見えるよ
ポケットにチケット二枚 大事に握り締めて
たまたまもらったんだって そんな言い訳を
準備して誘ったんだ 喜んでくれるかな

待ち合わせの広場 早く着き過ぎちゃったかな
ひとりぼっちで待ってる だけど少しも不安じゃない
君に会った時に見せる 最初の笑顔を練習してる
もう君がやって来るのが見える うまく笑えますように

緊張してぎこちない僕を いつもの調子で笑う声
何だよって怒る僕を またからかって叩き合って笑う


街はまるで おもちゃ箱をひっくり返したみたい
昨日まで泣いてたあの娘も 今日には泣き止んだってさ
誰かが歌う歌さえ 音符になって降り注いでる
派手な光に照らされて二人 ふざけ合って歩いた

何て楽しすぎる夜だろう 大嫌いなはずの
流行りのラブソング 何で大声で歌っている
君の手を取って踊る まるで壊れた人形みたいに
子供みたいに笑う君 それにつられて僕も笑う



最後の花火 焼け落ちて消えた空を見上げて微笑む
君の横顔を見ていた 魔法はもうすぐ朝に解けて
この手を離さなくちゃ また今度会えるまでに
君の笑顔が好きなんだ そう言えるように練習しとくよ


自由詩 パレード Copyright itukamitaniji 2011-09-24 15:09:29
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