亡霊ペンギン
冬野 凪

八月の身体の火照りを感じつつ抑へきれない皮膚の爛れよ


月光のアナスタシアよ薔薇園でかくれんぼする亡霊ペンギン


溜め池に子どもが落ちたと連絡あり草いきれの真夏の夢よ


果樹園に妻を埋めたと自供する鈴なりの桃は何も語らぬ


向日葵を刈り取つてしまへ継母の言ひつけ従ひしあの夏の匂ひ


短歌 亡霊ペンギン Copyright 冬野 凪 2011-09-24 13:56:37
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