わたしがでかけたあとに
つむ

わたしはでかけた
わたしの最大公約数を求め。
みっつのふしぎがおどる
わたしのまわりで、
しかたなさそうに手をつないで。

わたしはでかける
鏡の洞窟を通って。
おどるものたちも息をひそめ
黙り込む、
わたしの視線をのがれて。

わたしはいつかでかけるだろう
さいごのやすらぎを求めて。
まくらもとにはふたつの影、
場違いにほほえんでいるのがいい
もはやひとつへと収斂しながら。

わたしがでかけたあとに
かなしむ人はみるだろう
横たわるわたしの口元に
やさしく残された最後のひみつ、
春の日のような微笑みを。

そのほろ苦い祝福を
わたしはここにおいてゆきたい
未来という名をひとつ与えて
わたしがでかけたあとも、なお。


自由詩 わたしがでかけたあとに Copyright つむ 2011-09-20 19:03:01
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