星の砂が零れるみたいに
乱太郎

僕に詩(うた)を下さい
書き損じの紙切れ
池に舞い落ちた木の葉
真夜中の月の海

僕は何処かに置き忘れているのかも
駅の遺失物の棚
旅先のホテルの一室
ツンドラの森に

いつも
僕を支配しているのに
いつも
僕を悩ましているのに

あのひとにどうしても
届けたい
たった一言
想い出させて欲しいのです
あのひとが気づく前に

北斗七星が南のほうに傾いて
あのひとのグラスに注ぎたいのです
ワインレッドのような言葉で


自由詩 星の砂が零れるみたいに Copyright 乱太郎 2011-09-19 17:20:26
notebook Home 戻る