なめくじ
非在の虹

なめくじの聞こえない歌声が家の下から聞こえる
なめくじの湿った心がぬるぬるの木屑から立ちのぼる
なめくじがゆっくりと顔をめぐらして食い物を探している
大食いなのだ この楽観論者は

金属質の足跡を残しまるで
歌うことが楽しくて仕方がないように
軟体動物の微笑ましいわき腹をくねらせている
今日も聞こえるよ 排泄物だらけの路地裏の歌姫の歌が

なめくじの銀の道に従い
なめくじに従って喜びの歌を心に呟き
土砂降りの中を行進しよう

なめくじについて行こう この道は見つけやすいから
そして塩を浴びるんだ みるみる縮む安いストライプ
ああ溶ける溶けるとその顔は笑っている


自由詩 なめくじ Copyright 非在の虹 2011-09-19 13:43:06
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