躓きのブレス
シホ.N


どんづまり!
この
どうしようもないどんづまり
にやって来た

しかしながらそう言う文句が
初めて聞く人にさえ
了解可能な
どんな絶望的事件もここになく
そのこと自体が一つの絶望!
なのか知れない

絶望的にこれ以上
確かなものはない
というほどに堅牢な
実感をかみしめた
すなわち

すべては
芝居じみている!

生きていることが
食べていることが
話すことが
病んでいることが

芝居じみていて

しかしそう言う文句も
親しい人たちにさえ本当は
了解不能で……
共有不能!
なお各おの
芝居じみて進みゆく

いきり立てるこれ以上の
力の予感はもはや
自己のなかに
見いだせない
そしてその消沈する発語さえ!

すべて
芝居じみている

芝居じみている
という限りで本当の芝居を
演じてすらいない
その舞台ともみなしうる
不毛の地面から
足が浮かび!

青黒く揺れるぼくらの
縊れた顔……!



自由詩 躓きのブレス Copyright シホ.N 2011-09-17 23:34:39
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