躓きのブレス
シホ.N
どんづまり!
この
どうしようもないどんづまり
にやって来た
しかしながらそう言う文句が
初めて聞く人にさえ
了解可能な
どんな絶望的事件もここになく
そのこと自体が一つの絶望!
なのか知れない
絶望的にこれ以上
確かなものはない
というほどに堅牢な
実感をかみしめた
すなわち
すべては
芝居じみている!
生きていることが
食べていることが
話すことが
病んでいることが
!
芝居じみていて
しかしそう言う文句も
親しい人たちにさえ本当は
了解不能で……
共有不能!
なお各おの
芝居じみて進みゆく
いきり立てるこれ以上の
力の予感はもはや
自己のなかに
見いだせない
そしてその消沈する発語さえ!
すべて
芝居じみている
芝居じみている
という限りで本当の芝居を
演じてすらいない
その舞台ともみなしうる
不毛の地面から
足が浮かび!
青黒く揺れるぼくらの
縊れた顔……!