あしあと
シホ.N


僕のキボウたちが
帰還した
脆弱で
ふわふわと
吹けば飛ぶような

キボウたちは
希望の面をかぶった
苦悩かもしれない
でもそんなことは
もうどうでもいいのだ
キボウたちは
あついトタン屋根の上
跳びあがって融け始める

僕は振り返る
無数の針のむしろ
息つまる監察室
手足しばられて
襲ってくる魔

僕は振り返るけど
戻ることはもはやない
すべては過ぎし時として
今を生きるすべとなる

キボウたちよ
たわむれももう僕には
通用しない
僕はもっと強くなろう
道なき道
振り返れば
あしあともなく



自由詩 あしあと Copyright シホ.N 2011-09-13 23:15:57
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