はれいろ
ねなぎ

酔い焦がして
匂い立ち
冷ますこと無く
水のよう
広がり散らばり
立ち消えて
形失くして
溶けて行く

気を惹くように
会話に費やした時間が
全て無駄に終わってしまい
その労力を精算しようとして
答えも出ずに蟠り
考え続ける時間を
注ぎ込んで行くように

宵焦がして
匂い立ち
覚ます事無く
水のよう
広がり散らばり
立ち消えて
型無くして
融けて行く

生産ラインが止まってしまい
通常業務が滞っている
納期に間に合うのかと
焦りが詰問になるが
復旧の目処すら
仮定でしかない現状では
議論は
発散と収束を繰り返している
工程の見直しを迫られ
手順書の再検討を重ね
磨耗した頭は
逃げを求めて
喉が乾いて行く

酔い焦がして
匂い経ち
醒ますことなく
水のよう
広がりちらばり
経ち切れて
形すらなく
解けてゆく

きゅうにはなびを
むけられたから
ふくとてがこげた
いそいでかわで
あらったけれど
ずくずくと
なって
いたんでいる
だんだんと
あつくなって
じんじんと
してきて
ふくらんで
だらだらと
なにかながれて
あつくて
しんまで
しびれるみたいで
てをみたら
はじけちゃう
みたいに
そのばしょだけ

声をかけられた気がして
起きたが
誰も居なかった
どうやら
気のせいだったらしい
道路に寝ていたので
体が軋むように
痛んでいる
昼間の熱で
温められた
地面が暖かく
微睡んでいたい
気分になってくる
浮かされたような
夜の底は
月の所為で
星が見え難く
見回しても
外灯は遠くにしか見えないし
周りは畑のようだが
灯りが少なくて
良く解らない
ここはどこだろうか

はれたよいが
こげついて
とけてきえる
こともない
こずんで
くすんで
いろなくし
しずけさに
しずむ


自由詩 はれいろ Copyright ねなぎ 2011-09-09 10:50:17
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