黄色の想い出
……とある蛙

夏の陽射しの中

曲がりくねった道を
君と一緒に歩いていると
丘一面に黄色い向日葵

僕はスケッチブックとクレヨンを取り出し
道の傍らに座り込んで
丘一面の黄色い向日葵をスケッチブックに移し始めた

君は僕の手元をのぞき込み
怪訝そうな表情を浮かべる
僕が持っているのは青色のクレヨンで
スケッチブックの画面一杯に
青色を塗り始めたからだ

君は気づかない
丘の先は青空で
空一杯の夏の青空で
丘一面の向日葵の花より
黄色よりずっと大きいことに
青空の下 一面の黄色い丘
向日葵の丘

画面の下部
丘に向かっている曲がりくねった道の傍らに
自転車を腕で転がしている君が
スケッチブックを抱えた僕が
麦藁帽子をかぶった二人が
ゆったりと歩いている

夏の陽射しの中を


自由詩 黄色の想い出 Copyright ……とある蛙 2011-09-08 11:29:50
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