17の夏、あの子と
うめバア

17の夏、あの子と
ブラブラ、ブラブラしてた

大学受験も考えなきゃならんしさ
そろそろ、真面目になんないと
ああ、わかってるよ、わかってる

何もかもに集中できず
机に向かえば脱力して
クラスの奴らは知らないであろう
音楽を聞いては
歌詞なんかノートに写したり

そうやって
ありあまる若さ
湯水のように使ってさ

体育祭は、当然サボった
1人で、川べりから駅まで歩いた
このイントロめちゃかっこよくて
でも、だれにも言わない

二学期になったらなったで
あの子に彼氏ができたり
私も友だちが、変わったり
だからロッカーに
マンガも入れっぱなしだ

でも何となく、この世界
つまんないような、おもしろいような

成績なんか、どんどん下がって
それでも、まだあと1年あるよ、なんて
夕暮れの紫の空とか、飛行機とか
なんかヤバメなにおいではじけたりとか

バランス、とってるよ
生きる時間と、さびた時間
口笛ふいて、コワイ話
吹奏楽部の練習も
たまには顔出して、ちゃんとつなぐ

金色の葉が空を染めて
息が凍って来るころには
多分、相対的に、自分は
この1年で最もマトモになるはず

そうしたら、また
あの子にメール、してみよう

言いたかったの
言わせたかったの
聞きたかったの
聞こえないふり、だったの

あたしたちまた、言葉の周りで
ぐるぐるかくれんぼして
遊ぶのかも


自由詩 17の夏、あの子と Copyright うめバア 2011-09-08 00:01:47
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