夜の蝉
kauzak



蝉が鳴く

孤独を切り裂くように



何処へも

もう

いけないことを悟っているように

性急に 性急に

夏の生ぬるい空気を震わせている



こんな時間に誰が聞くというのか

声は儚く弾けてしまうのに

静けさを切り裂くように

性急に鳴いている


自由詩 夜の蝉 Copyright kauzak 2011-09-05 23:34:42
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