約束
……とある蛙

いつまでも泣いたり笑ったり出来るよう
二人で一緒になったはずなのですが
歳月と私の怠惰のため
君の目許には苦労の色が溜まり続け
随分と皺が多くなっているようです。
それでもとても奇麗だと
何げ無くつぶやく自分も悲しいが
それを胡乱な目で聞く君も悲しい

その日の図書館の屋上で
危険な鬼ごっこをしてひざを痛めた
君の最愛のペテン師は
今でも夏の朝の太陽に浮かれて
うだるような気温の中
仕事場へ憂鬱な顔をしたまま向かっている
大したことはないのです
いつも通りの仕事をこなすだけなのですが、
思うように仕事の結論が出ない
クライアントは言いたいことを言うだけで
この部分はきみとかなり似ていますが、
納得できないことを全て他人の責任にはしない。できない。

こんな毎日を過ごしていただけで
三〇年近くはあっという間に過ぎ
不安と焦燥の老後を迎えます。
どうも子らはまともな仕事に就く気はないらしい。



自由詩 約束 Copyright ……とある蛙 2011-09-05 11:56:57
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