三十分後の青春
yuugao
指の境目に現れる透明な詩話
越えたように波打ち続けている
記憶を邪魔者にしようとして
うっかり波にさらわれることもなく
取り残されてしまう
同伴する記憶が欲しがるガラスを
もっと増やさなくてはいけない
指を波にあてがいながら
ゆっくり慎重に
細工を施し始める
次第に
厚みを増していくのがわかる
誰に教わることもなく
記憶が記憶であるために
一際
落ち着き放って
淡々とガラスを含ませていく
自由詩
三十分後の青春
Copyright
yuugao
2011-09-04 21:56:23