ものもらい
つむ

ものもらいができた
左眼のまぶたの裏側に

うつる病とは聞くものの
誰がよこしたものかも判りはせぬし
このところ痩せてしまった我が涙の袋には
毒素がぎっしりと詰まって視界を赤く腫れさせる

(仰向けになってまばたきをすれば
 すきとおった薬液がほほを伝って
 朝の方角へ流れ)

誰のものともわからぬ病を引き受けた私は
せめてもの右眼で
遠い星々を見ている。


自由詩 ものもらい Copyright つむ 2011-09-04 15:53:32
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