片恋と残暑
橘あまね
午後の風がきみの髪をなぜる
ああ、とてもいいにおい
ぼくは小さな蜂になって
きみの、ひまわりの笑顔にとびこみたい
甘ったるく歌ったり
背伸びして空をかじったり
きみの気まぐれな野性に
ぼくはいつでも見惚れてしまう
きみのとがったところとやわらかいところ
刺されたり包まれたりしているうちに
ぼくはすっかり少年になってしまった
すり傷がたくさんできてもいいから
きみのこともっと知りたいよ
ぼくの青色ときみの黄色は
ずっと平行線
空と地面がいたちごっこして
終わらない夏休みをせめぎあってる