deperson
伊月りさ
教室の
酸素を懸けて
行き交った手紙の山
捨てられない分量が
誇らしかった少女
ほしいものだけを凝視した
そこに
どれほどのわたしが在る
今も なけなしの孤独を懸けて
分離した言葉を
瓶詰めにして並べる
指の間
そぐわないと放火して
地球が燃え尽きたら
なぐさめてくれるだれかが
別の星からやってくるとでもいうのか
経緯をたずねてくれるとでも
信じられる宿痾がはびこっている
飽和した文字が
吐き戻される
流行に乗れる人がたくさんいて
刹那的になるほど求められる
サーモグラフィに映らないほど
呪いが巧緻なほど
愛されるような
ことに味をしめて
わたしたちには
生活がない
頭が駆けて、駆けて、
衝突するまで
記号で遊べるのだ