わたしが わたしで あるために
るるりら



マイナスのこころは 似たような レベェルのマイナスの心を
呼ぶのかな
そんな はずはない
マイナスのこころは 似たような レベェルのプラスの心を
呼びたがるはず

あの晴れの日 海に 雷が落ちた
雷は ああみえて 自分が落ちる場所を こころえていたのだろうか

四角い姿をした ハコフグのおなかに 六角形の鱗が敷き詰められているのを見つけた
六角形だなんて効率の良い形を知っているのは 蜂くらいかと思っていたけれど 生き物は 自分の姿を どんなふうに こころえているのかな
空中に立ち止まる蜂が わたしの目の前で カービーなフォルムを羽音で自慢する


やわらかく はかない 無数の命
かつては 命だった 貝殻の浜辺
うちよせられるのは わたしではない 生き物たちの 
情熱と悲しみの結晶ばかり
やさしい法則で うちよせられる波のむこうの 青

ジェリーのように 艶やかな 一個の地球が
ジェリーのように 艶やかな 一個の恍惚が
ジェリーのような 一個の恍惚が

それぞれの生き物のために それぞれに用意されていて
その恍惚の卵は
いつも、真っ暗な それぞれの宇宙の中で たゆたゆと 揺れながら
秘密が明かされる日を待っている

おなかが空いたとか そんな ちょっとしたピンチのときに
大切な人に笑ってもらえることを願う
そんな単純なことで 恍惚が一個のまるいジェリーみたいに 光を帯びる

わたしのこころは
マイナスだったり
プラスだったり

けれど、どちらにしろ
光りたがっているのだ

  あら いけない

いつもよりヒールの高い靴を履くと
わたしのフォルム
すこし 蜂に ちかづいてきた

しゃなりと歩くと
さわ と
光の粒


私の足取り
ふわり
一歩 前へ

光源を得た
わたしのつまさきは 蜂




自由詩 わたしが わたしで あるために Copyright るるりら 2011-08-31 00:17:26
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