野望へ
ジム・プリマス

この志の先には果てしない距離があり
今の自分にはとても超えることは出来ないということを
僕は知っている。
馬鹿なことだと誰もが指差して嘲笑する
誰もが言う
そんなことが出来るわけがない
今、僕の離脱した精神は
荒廃したこの世界の荒れ野に立っている
でも僕は知っている
今、僕の実体が属しているこの世界こそが
荒廃した荒れ野だと
もうここからは何も生まれないことを
僕は知っている

瓦礫の中から屹立する
新しい光を見た
そこではすべての体制が崩壊している
そこではすべての秩序は崩壊している
すべてが崩れ去った残骸だけが
荒廃した荒れ野に真空のように散らばっている
混沌だけが、ただ荒涼と広がる世界
でも
すべてを最初から始められる場所
本当は最も希望と可能性に満ち溢れた場所

放漫と虚飾に彩どられた泡沫の繁栄に目がくらんだまま
志を捨てきれない僕は、この道を進んできた
今この道に未来はない。実体としての未来はだ
すべての源に辿りつきたい
すべての根本の前に立ち
当たり前の飾らない言葉で未来を語りたい
たとえそれが他人の眼から見て
どんなに馬鹿げたことでも構わない

精神で観よう、精神で感じよう
そうしないと
その道は見つけられないから
霧が晴れる様に目前の世界が広がる時を信じて
この球形の荒野をさすらおう
この修羅の世界をさすらおう
この刹那を引きずって歩こう
僕が生きている証を刻んでいこう
猥雑な混沌の中を歩いていこう
この野望へと



自由詩 野望へ Copyright ジム・プリマス 2011-08-30 12:00:23
notebook Home