しゃぼん玉
千波 一也




できるかぎりの優しさで
息をおくって

あざやかな
卵のひとつひとつに
そらを託しました


そうして
いかにも幸福そうな
幽閉は

繊細に
消えるのでした

ことば以外の
ちからによって
いかにも幸福そうに
消えるのでした


あざやかな
そらの向こうを
とべないわたしは

きょうも卵に託します
半ば強情な
優しさで







自由詩 しゃぼん玉 Copyright 千波 一也 2011-08-27 18:01:41
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