さびしいこころ
梅昆布茶

さびしいこころがひとつ
道におちていた
拾わなかった

ぼくももっていたから

さびしい命がひとつ
歌をうたっていた
いっしょにうたった
さびしいさかなが
店先に並んでいた

青い空を眺めているように

さびしい人々が
さびしい午後に

さびしい買い物を
している

僕は自分の縫いとじられた
こころの継ぎ目を
まさぐった

そこからさびしさがもれださないように
道に落とさないように



自由詩 さびしいこころ Copyright 梅昆布茶 2011-08-26 19:36:44
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