秋のキャンパス
花キリン

       
青い空はキャンパスだと
蝉が鳴く大木辺りから
秋の気配が広がり始まる
読書したものの中から
一文を抜き出して
まわりに読み聞かせてみる

穏やかに丸まるものばかりではなく
凹凸があって
形作られるものが多いから
キャンパスの端から端へと
気配が動き
小さな虫の類が
夜を鳴きあかそうとしている

今日の栞は
明日の居場所に仮住まいを始めた
流れるように時は過ぎていく
老いには老いの
心構えが必要なのだろう
考えさせられる季節である


自由詩 秋のキャンパス Copyright 花キリン 2011-08-24 06:32:24
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