水のレース
塔野夏子

白い八月の午さがり

目を閉じて

君の幻を見ている

水のレースにふちどられたドレスで

踊っている

きらきら

きらきら

僕の瞼の裏にも水の雫が飛んで

きらきら

きらきら

踊る君のまわりに虹が淡くゆらめいて

このまま

見とれていたい

夏がはかなく終わってゆくことを

君に気づかせないように





自由詩 水のレース Copyright 塔野夏子 2011-08-19 20:38:31
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