ガラスのしわ
yuugao

水蓋が波打ったから覗きに行く。

搭乗回数をメモしておいた壁に手をあてて
今度は足元を、かすめ取られないよう慎重に。

浮き足立ってしまう中身は
ひもで括って下に降ろしてやる必要がある。

頭と膝の二ヶ所を結んでやれば
大抵の場合は大丈夫だった。
あとは自ずと上下する回数が減っていく。

薄目で見る景色が
何百、何千と複写されていても
物量に属すことは、決してありえはしない。


自由詩 ガラスのしわ Copyright yuugao 2011-08-15 18:29:01
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